通常、加齢によって脳も老化するため、「物忘れ」が出てくるのは普通のことで、遅かれ早かれほぼ全員にあることで、病気ではありませんし治療の必要はありません。しかし、「認知症」は「物忘れ」に似た症状から始まる病気で、誰もがかかる可能性がある身近な病気のひとつです。
以前は「痴呆(ちほう)」といわれていました。認知症は高齢の方に多い病気なので、日本では高齢化とともに認知症の患者数も増えて、65歳以上の高齢者では、7人に1人くらいが認知症だと言われています。
認知症を完全に治す治療法はまだありませんが、早期に診断することにより、薬によって進行を遅らせる可能性が高まりました。原因によっては症状が急激に進んだりする場合がありますので、早期発見、早期治療で進行を抑え、症状を軽くすることが大切です。
通常の「物忘れ」なのか、「認知症」の症状である「物忘れ」なのかによって治療が必要かどうか、早めに判断する必要があります。軽い物忘れがあるとお感じになったら、お気軽に精神科や心療内科にご相談ください。
認知症とは、さまざまな原因で脳細胞が死んだり働きが悪くなったりすることによって、記憶・判断力の障害などが起こり、社会生活や対人関係に支障が出てくる状態を言います。
アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症などに分けられます。アルツハイマー型認知症は認知症の中で一番多く、比較的女性に多く見られ、脳の機能の一部が萎縮していきます。血管性認知症は比較的男性に多くみられ、全体的な記憶障害ではなく、一部の記憶は保たれている「まだら認知症」が特徴です。
まずは診察をさせていただき、「正常な範囲の老化による物忘れ」か「治療が必要な認知症」かを判断します。対話による簡単な検査も行う場合もあります。
治療が必要な場合はのみ薬による治療が主体となります。
認知症を完治させる薬は残念ながらありませんが進行を遅らせる薬は数種類あります。
主にのみ薬になりますが、のみ薬を定期的に続けられないような方は貼り薬もあります。認知症の種類や症状の強さに応じて薬を選択します。
認知症と診断された後は早期の治療によって進行を遅らせることができます。
介護保険で利用可能なリハビリテーションを利用することも進行予防に大きく貢献できるため、ご本人様やご家族様とよくご相談させていただいた上で、介護保険申請の手続きを行うこともお勧めする場合もあります。認知症と診断された場合は患者さま自身もショックを受けられるかと思いますが、身近で暮らしているご家族の方も将来への不安が強くなることが多いです。本人様及びご家族様をサポートしながらの治療になっていきます。
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