人が生活していくうえで、ほどほどの不安を感じることは、自分を守るためにとても大切です。しかし、その不安がいき過ぎてしまい、日常生活に支障をきたしてしまっている状態を「不安障害」と呼びます。
不安障害のなかでも代表的なのが「パニック障害」です。
パニック障害は、突然起こる激しい動悸や発汗、脈が速くなる、震え、息苦しさ、胸部の不快感、めまいといった、症状が出現し、さらには「パニック発作」と呼ばれる、「死んでしまうのではないか」と思うほどの強い不安に襲われ自分ではコントロールできないと感じる状態になることもあります。そのため、「また発作が起きたらどうしようか」と不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。パニック障害が悪化すると、人前に出るのを嫌って閉じこもるようになり、正常な社会生活が営めなくなります。うつ病を併発するケースもありますので早めに治療を開始することをお勧めします。
まずは診察によって治療が必要な状態か否かを見極めます。治療が必要な場合はのみ薬による治療・対話による治療が主体となります。
日常生活に支障をきたしている不安を抑えるための薬を使います。これは「抗不安薬」と呼ばれます。症状が軽い方の場合には抗不安薬を使いながら不安が生じないか確認しながら苦手な状況に慣れていくといった行動療法を行います。
抗不安薬では中々症状が軽くならないという場合には抗うつ薬をお勧めすることもあります。なぜ、抗うつ薬なのかといいますと、抗うつ薬には脳の中の不安を軽くする物質を増やす働きがあり、この作用から不安を取り除きます。
心理的側面から治療を図る治療法のことです。まずはきちんと診断をするためにお悩みをお聞きしたうえで、現在の悩みは何かポイントを絞りながら、個人個人の生活全体を把握していきます。診察による対話を重ね、一緒に考えながら、問題解決の方法を探していくお手伝いをします。パニック障害の場合には苦手な状況に慣れていくことが重要であり、段階的に小さなことから克服していき、達成感を得ながら目標に向かっていきます。無理せずに自分のペースで取り組むことが大切です。
のみ薬で症状が落ち着いたら行動療法として発作が出る環境に挑戦します。この段階では不安が強いと思いますが、最初はハードルの低いことから慣れ、徐々にハードルの高いことに挑戦します。不安が軽くなり健康な時と変わらない状態に戻った後も再発を予防するためにも半年から1年間は服薬を継続する必要があります。途中で服薬中断することによって症状がくすぶり治りが悪くなる場合もあるのでしっかり治すためにも、当院では服薬を継続することをお勧めします。
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