うつ病とは “こころの風邪” といわれるほど、誰もがかかりうる身近な病気であり、気持ちの問題などではなく、ましてや心が弱いためにかかる病気でもありません。風邪と同じように軽いことから重いことまで程度はさまざまです。
現代社会はストレスに溢れています。ストレスがうまく解消されないで、心と体のバランスが崩れ、心身に不調をきたすことは誰にでも起こり得ます。
眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった状態が続いている場合は、うつ病かもしれません。うつ病は、精神的・身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間なように感じられてしまいます。そのため普段なら難なく乗り越えられるようなストレスも、より辛く感じられてしまうという、悪循環が生じてきます。
こうした状態になったら、一人で悩まず、とにかく心療内科もしくは精神科のクリニックに早めにご相談ください。
早めに治療を始めるほど回復も早いものです。必要に応じた休息と的確な治療を受ければ、ほとんどの場合それまでと変わらない生活を送ることが可能です。
当院では患者さまとともに、段階的に社会復帰できるようにサポートしていきます。
まずは診察によって治療が必要な状態か否かを見極めます。
治療が必要な場合はのみ薬による治療・対話による治療、及び休養が主体となります。
うつ病は脳がうまく働いてくれない状態のため、薬による治療が有効といわれています。
軽度な場合には漢方薬が有効な場合もあり当院でも多々処方することがあります。
「抗うつ薬」は症状を改善し安定した状態を保ち、また再発を予防するためにも重要な治療のひとつです。抗うつ薬にはいくつかの種類があり、患者さんの症状や状態に応じて使い分けます。抗うつ薬は近年、副作用の少ない薬も多く出ており、昔の「抗うつ薬」とは違い内服しやすくなっています。しかし中には、多少の副作用も残念ながらあるものもありますので、当院ではのみ薬を開始する際には副作用の説明をした上でお出しします。
抗うつ薬は効果が現れ始めるまでに通常1週間~数週間かかります。
症状に応じて抗うつ薬に加えて抗不安薬や睡眠薬などが用いられることもあります。
心理的側面から治療を図る方法のことです。まずはきちんと診断をするためにお悩みをお聞きしたうえで、現在の悩みは何かポイントを絞りながら、個人個人の生活全体を把握していきます。診察による対話を重ね、一緒に考えながら、問題解決の方法を探していくお手伝いをします。
当院の患者様の中で、病気にかかるまで元気に働いていた方は「仕事は休めない」、「今、自分が休んだら周りに迷惑をかけてしまう」「家族や同僚に申し訳ない」というような理由でお仕事を続けながら治療を望まれる方も多いです。もちろん、患者さんの希望を最大限に尊重し仕事をしながら治療を行っていくことも可能です。しかしながら、うつ病の症状の重さによっては休職を勧めさせて頂く場合もあります。近年、こころの病が認められつつあると言ってもまだ十分に認知されない悲しい現実もあります。骨折や脳梗塞、心筋梗塞などにかかられた場合には十分な休養を取ることをいとわないと思われますが、こころの病気の場合は目に見えないのでそうは思わないのがつらいところです。骨折で安静が必要な時は休んでしっかり治すといった体の病気と同じように、こころの病気もしっかりと十分な休養をとることで早く良くなるので、休養が必要な方にはお勧めしております。
抗うつ薬を内服してから各々差はありますが1~2週間程度で症状が軽くなります。症状が良くなると健康だった時と近い状態になるので気持ちが焦ってしまう場合が多いですが、焦って早く社会復帰すると「今までの分を取り戻さないといけない」などと考えてしまい再発する可能性が高くなるので焦りは禁物です。
症状がきちんと治るまでおおよそ3か月程度はかかります。うつ病は再発しやすい病気のため再発予防が重要です。しっかり治すためにも症状がなくなってから半年間は同じ量で服薬を継続する必要があります。薬を少しずつ減らしていくのが再発を防ぐためには重要なので腰を据えて治療を受けて頂きたいと思っています。
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