統合失調症は、多くは思春期から青年期に発症するこころの病気で、「幻覚」や「妄想」といった症状が特徴的です。この病気は「脳」の働きに異常が生じるためと考えられており、およそ100人に1人弱の割合で発病します。決して珍しい病気ではないのです。
生まれながらストレスに対するもろさがあり、そこに限度以上のストレスがかかると、脳の神経に異常をきたして発症すると言われています。
経過は人によってさまざまで、非常に薬が効いて症状が安定する方、そうはいかない方など、いろいろな患者さんがいらっしゃいます。したがって、患者さんがどのような経過をたどるかの予測も難しいところです。
ただ、「発症早期の治療」が重要であることは認められており、早期のうちに、適切な治療を受けることが大切ですので、思いあたる症状があれば、早めに受診されることをお勧めします。
統合失調症の代表的な症状は3種類に分けられます。(「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」)
記憶したり、注意を集中させたり、計画を立てたり、判断したりする機能が低下します。
まずは診察によって診断を確定させます。治療が必要な場合はのみ薬による治療・対話による治療・リハビリが主体となります。
「抗精神病薬」と呼ばれる薬が症状を改善し安定した状態を保ち、また再発を予防する効果があるので必要不可欠です。抗精神病薬にはいくつかの種類があり、患者さんの症状や状態に応じて使い分けます。抗精神病薬は近年、副作用の少ない薬も多く出ており、昔の「抗精神病薬」とは変わってきています。しかし中には、多少の副作用がある薬も残念ながらありますので、開始する際には副作用の説明をした上でお出しします。そのほかにも症状に応じて、睡眠薬や抗不安薬、気分安定薬などを使うことがあります。
心理的側面から治療を図る治療法のことです。まずはきちんと診断をするためにお悩みをお聞きしたうえで、現在の悩みは何かポイントを絞りながら、個人個人の生活全体を把握していきます。診察による対話を重ね、一緒に考えながら、問題解決の方法を探していくお手伝いをします。統合失調症の方にとって日常生活の支障となる幻聴、妄想の有無を把握し、引きこもりや意欲の低下がみられないか確認しながら対処方法を考えていきます。
体の病気の時にはリハビリというと弱った体力や筋力を回復するための訓練だと想像しやすいと思います。こころのリハビリの場合には、病気の知識やストレス対処法を学ぶ心理教育、人間関係をうまく進める方法などを練習する訓練、記憶力や集中力などをつけるための訓練など、さまざまな方法が知られています。同じ病気で悩んでいる人が一緒に訓練を受けるためのデイケアと呼ばれる施設を利用することは効果的であると言われています。
統合失調症と診断を受けた後はのみ薬による治療を開始しますが、再発を予防するためにも継続する必要があります。薬の効果が得られ幻聴や妄想といった症状が改善された後には、陰性症状を予防するためにも積極的に社会活動をして頂きます。例えば、働いていた方であれば仕事を続けるといったことです。昔は社会活動をせずに静養することが良いとされていましたが、近年は積極的に人と関わることで能力面が保たれるということが分かってきています。仕事をしていない方であればデイケアや作業所といった、同じような心の病を抱えた方々が通う施設に通うことをお勧めします。
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