強迫性障害は、ある考えや行為にとらわれてしまい、「ばかばかしい」と分かっている自分の意思に反して、不安な考えが頭に浮かんできてしまう。さらにその考えを抑えようとしても抑えられず(強迫観念)、またその考えを打ち消そうとして、無意味な行為(強迫行為)を繰り返せずにはいられなくなる心の病気です。やめようとすると強い不安に襲われるため症状を抑えられないのです。
例えば、手を何度も洗わずにいられなかったり、ドアのカギをかけたかどうか何度も戸締りを確認するというものです。戸締りなどは、安全を確保するために誰でも行う行為ですが、それが毎回何回も確認しないと気がすまない状態になると、日常生活に支障をきたすことになり、何らかの治療が必要となります。脳内の働きの不具合によるものと、心理的な要因および性格(几帳面、生真面目、融通が利かない)などが関連して、発症するのではないかと考えられています。
上記のような強迫症状は、うつ病、統合失調症など、他の精神疾患でも見られますので、それらとの鑑別も大切です。専門的な診断や検査が必要になりますので、お気軽にご相談ください。
まずは診察によって治療が必要な状態か否かを判断します。治療が必要な場合はのみ薬による治療・対話による治療が主体となります。
抗うつ薬による治療がある程度有効といわれています。「うつ病でないのにどうして抗うつ薬なの?」と疑問に思われるでしょうが、抗うつ薬は強迫的な考えや行動に関係する脳の部位に作用することで症状を和らげるためです。
心理的側面から治療を図る治療法のことです。まずはきちんと診断をするためにお悩みをお聞きしたうえで、現在の悩みは何かポイントを絞りながら、個人個人の生活全体を把握していきます。診察による対話を重ね、一緒に考えながら、問題解決の方法を探していくお手伝いをします。強迫性障害の場合には強迫観念による不安と向き合い、やらずにはいられなかった強迫行為をしないよう我慢するという行動療法が有効です。不安、恐怖を感じる行動、考えに関して向き合い、次第に慣れていくようにしていきます。
強迫性障害の場合は効果のある抗うつ薬を十分量使用し、精神療法をセットで行います。薬の効果が出始めると強迫が楽になってきますが、完全に治るという事を治療の目標にしないことが日常生活を楽にするためには必要です。症状が楽になり薬が減った、強迫で日常生活に支障がない、生き方が楽になった、この世に完璧はない、などを目標にすると楽になります。
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