心身症とは、ストレスや対人関係などの心理・社会的な「心」の原因が大きな影響を及ぼして発症している「体」の病気です。
たとえば、仕事がどうにもうまくいかない、家庭生活で嫌なことが続く、大切な人と死別したなど、心理的要因や過剰なストレスによって発症する胃潰瘍や十二指腸潰瘍などが、これに相当します。体の病気ではあるものの、心理的要因が大きく関与している場合を心身症と言います。自分の感情やストレスに気づきにくく、自分を抑えて周囲に合わせたり自分の感情をうまく言葉で表現できなかったりする人に多いと言われます。
「心の症状」→「体の病気」→それがストレスになり、さらに→「心の症状」→「体の病気」→・・・と悪循環になっていく場合もあります。
そのため当院では、治療には単なるストレスの除去だけでなく、心理面の治療が必要ですので、通常は長い時間がかかると考えています。治療が不完全な場合、症状が治っても、すぐに別の症状が現れる場合がありますので、しっかりと治すことが大切なのです。
心身症の治療では、一般的な「体の病気」とは違い、心理的な要因が関与しているため、体の治療だけでなく、心と体の両面から治療する必要があります。
のみ薬や精神療法などで心の治療を行うとともに、併行して「体の病気」に応じた治療が必要になります。
心身症の症状は非常に様々です。どんな症状でも起こり得ると言っても過言ではありません。心身症で比較的よく見られる症状には下記のようなものがあります。
上記などの不調を感じて、内科などを受診して「体の病気」と言われ通院治療してもすっきり良くならない。再発する。
まずは診察によって心身症かどうか、治療が必要な状態かを判断します。
治療が必要な場合はのみ薬による治療・対話による治療が主体となります。
日常生活に支障をきたしている「体の病気」と、ストレスから生じる不安や落ち込み(「心の症状」)を改善するための、のみ薬を飲んでいただくことをお勧めすることが多いです。漢方薬で改善する場合も少なくありません。「体の病気」⇔「心の症状」の悪循環を断ち切ることを目指します。
心理的側面から治療を図る治療法のことです。まずはきちんと診断をするためにお悩みをお聞きしたうえで、現在の悩みは何かポイントを絞りながら、個人個人の生活全体を把握していきます。診察による対話を重ね、一緒に考えながら、問題解決の方法を探していくお手伝いをします。元々、感情表出が苦手な方が多いのでうまく気持ちを伝える方法などを考えていきます。
心身症は「体の病気」の原因が様々なストレスから生じているものの、ストレスの除去だけでは不十分であり心理面の治療が必要となる場合が多いですので、通常は治療に長期間かかります。治療が不完全な場合、症状が治っても、すぐに別の症状が現れる場合がありますので、しっかりと治すことが大切です。言語による感情の表出をうながすような精神療法も効果的です。一方で、もともと感情の表出が苦手な人が多いだけに、緊張をほぐすようなリラクゼーション法もある程度は有効です。ストレスを感じる環境から離れ休養することも一つの方法です。
身体表現性障害とは、頭痛などの痛みや吐きけ、下痢、便秘、疲労感などの「体の症状」が常に続き日常生活を妨げているにもかかわらず、はっきりとした「体の病気」が認められない状態です。物事を悲観的にとらえやすい繊細な方がなりやすい傾向があります。また、心身の過労(親の介護疲れや過重な残業など)や、身辺の環境変化(職場異動や引っ越し、近親者との死別など)のストレスも要因になっていることがありますが、ストレスを認識しにくく、言葉で表現できないような方に、身体症状が表れることがあるとも言われています。
まずは診察によって診断を行い、治療が必要な状態か否かを判断します。治療が必要な場合はのみ薬による治療・対話による治療が主体となります。
日常生活に支障をきたしている「体の症状」の原因となる、ストレスから生じている不安や憂うつな気分を改善するための薬を使います。一部の方では漢方薬を使用することで症状に対しての悩みや囚われが軽くなることがあります。
心理的側面から治療を図る治療法のことです。まずはきちんと診断をするためにお悩みをお聞きしたうえで、現在の悩みは何かポイントを絞りながら、個人個人の生活全体を把握していきます。診察による対話を重ね、一緒に考えながら、問題解決の方法を探していくお手伝いをします。身体的な気がかりをしっかりとお聞きし、ストレスの原因の特定を目指しストレス対処や環境調整について話し合います。
治療を開始後は、症状が悪くなる要因、逆に症状が良くなる要因を明らかにし、症状が軽くなるような行動を促していくことを目標にしていきます。「体の病気はない」ということをきちんと納得していくことが大切です。ストレスを感じる環境から離れ休養することも一つの方法です。
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